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4年間の思い

自分の高校時代の全てをかけてがんばった野球も評価されず、一つ下の後輩がレギュラーに定着してから、常に三番手キャッチャーだった。技術が向上し試合に出させてもらってもパニックになるだけで、監督には怒鳴られ、周りの部員からはそんな惨めな僕をからかう者も多かった。そんなまだ精神的に未熟な自分が大嫌いだった。でも真面目すぎる僕の性格は自分の欠点から逃げることを許さなかった。試合にいつも出るメンバーの為に毎日のように朝早く起きて朝練の雑用に従事しにいく。「チームのために自分を犠牲にすることは、本当に自分のためになるのだろうか…」そんなことをいつも考えながら、勉強も恋愛も犠牲にして、日々、精神的、肉体的苦痛に耐え続けていた。表舞台に立つ者の成果は評価されやすいし、結果を残した分だけ周りに認められる。でも、結果を残しても評価されないフィールドで戦っている者がいるということを声を大にして僕は言いたかった。浪人が決まってからも、あまりの現実の過酷さにまるで地獄をみているかのようだった。周りの友達は殆ど現役で大学に合格し、僕は孤独感、絶望感、自分の無力さを感じずにはいられなかった。
野球部の時に経験した屈辱を引きずりながら、ぼくは思った。「1年後、絶対特大のホームランをぶちかましてやるんだ…」と。

上住先生と初めて会ったのは学期前の講師紹介を兼ねた模擬授業の時だった。今までライブ授業を受けたことがなかったせいか、肉眼で見る先生からは何かオーラみたいなものが感じられた。熱意が直接伝わってきた。サテライン授業にはない、講師と生徒の会話のやり取りのような、とても創造的な授業がそこでは展開された。僕は「この先生についていこう」と、そのとき決心した。授業を重ねるにつれて、だんだん先生の人生論やものの考え方がわかってきた。先生が自分を犠牲にして仕事を頑張っている姿に僕は感動した。「大人にもこんなに頑張っている人がいるんだ…」そう思うと、自分の苦労なんかたいしたことではないと思えた。そしてそう思うことで、「自分も頑張らなければ…」と自分を奮い立たせることができた。先生は板書に加えて、指導力もトップだと確信できた。

浪人中ずっと、僕自身に言い聞かせてきたことがある。それは、まず「自分の行動や、今の自分にプライドを持つ」こと。それと「謙虚になる」こと。決して飾らずに、結果よりも自分の選んだ手段、過程にこだわり、それに自信をもつこと。だから、たとえ受験1ヶ月前の模試もあくまで通過点だと考えて、第一志望に100%の実力が出るように勉強のサイクルをあわせて頑張った。結果を気にするのは第一、第二志望の入試だけにした。そして、「周りに振り回されない」こと。だから、高校が同じだった人以外は新しく友達を作らなかった。孤独というのが浪人中一番辛かったことかもしれない。でも勉強にとても集中できて、すさまじい精神力を身につけることができたと思う。最後に、「自分の操作可能な範囲で力を出し切る」こと。これは、松井秀喜が「100%理論」と呼んでいるのと同じなのだが、自分の120%の実力は望まず毎日やっていることをこつこつと積み重ね、100%の力だけを出すということだ。「出来ないものは出来ない」と割り切って、自分で区別することだ。この考え方は受験時代には欠かせないものだと思う。夢よりも現実を見ることの方が先だ。

こんな自分の考えが正しいかどうかはわからない。受験に成功したのも90%以上運だと思っている。でも、自分の考えを貫き通した一年は自分の財産だ。 

こうして頑張っているうちに、成績や精神力は着実に向上して行き、気がつけば合格することができたいた。「やっと終わったか」と、過去の4年間を振り返ったとき今までにない達成感を感じた。今思えば、自分のための努力しか要求されなかった受験時代は、高校時代よりも楽だった。高校時代に受験よりも辛い経験をしててよかった。部活の努力が報われたと感じた瞬間だった。これから先にどんな試練が自分を待ち受けているのかわからない。でも、この成功を自信に変えていつも前向きに頑張り続けていこうと思う。

最後に、受験時代を支えていただき、本サイトのゲストに選んでいただいた上住先生、ありがとうございました。今回の合格が、熱心に指導していただいた先生へのプレゼントです。これからも先生のご活躍を心より願っています。  

谷澤 純一
1986年京都で生まれる。
兵庫県立長田高校を卒業後、代々木ゼミナール神戸校で一浪し、慶応義塾大学法学部政治学科に合格。 現在は慶應義塾大学準硬式野球部に所属し、勉強との両立に励む。趣味は釣り、ギター、音楽鑑賞、スノーボード、サッカーなど。
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2008.04.17 メールマガジン登録受付中!
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